Netflixで配信された韓国ドラマ「暴君のシェフ」は、2025年の韓国ドラマ作品の中でも最大のヒット作として話題を呼んでいます。
このドラマは、朝鮮王朝時代にタイムスリップしてしまった現代の天才シェフが、絶対的な味覚を持つ暴君との運命の出会いを描いた、ラブロマンス時代劇です。
現代と朝鮮王朝という二つの時代を舞台に、料理を通じた恋愛と陰謀、そして人間関係の複雑さが織り交ぜられた魅力的なストーリー展開が特徴となっています。
本記事では、このドラマの魅力的なあらすじ、視聴した感想、そして個性豊かなキャスト陣について、紹介していきます。
「暴君のシェフ」あらすじ(少々ネタバレ有り)
「暴君のシェフ」全12話の流れを、ネタバレ軽めで「どの回では何がポイントか」が分かるようにまとめています。
第1話 運命を変えたビビンバ
フランスの料理大会で優勝したジヨンは、帰国途中の事故でタイムスリップしてしまい、朝鮮時代の王宮近くへ迷い込みます。
森で暴君イ・ホンに捕らえられ処刑寸前となりますが、即興のコチュジャンバター・ビビンバが絶賛され、命と引き換えに専属料理人として仕えることになります。
第2話 王宮厨房サバイバル開幕
王宮へ連れて行かれたジヨンは、料理人たちの嫉妬と、イ・ホンによる「口に合わなければ首をはねる」という厳しい宣言に怯えながらも厨房に立ちます。
ジヨンは現代で培った衛生管理や段取りの工夫で調理場を整え、さらに低温調理スー・ヴィッドを取り入れた肉料理でイ・ホンを再び感嘆させます。
イ・ホンはジヨンの腕前を認め、ただの鬼女ではないと評価します。
第3話 フルコース・フレンチで王をもてなす
ホンのために宮廷の食材だけでフルコースのフレンチを任されたジヨンは、前菜からデザートまでオートキュイジーヌの流儀で腕を振るいます。
ホンは一皿ごとに静かに心を震わせ、「どうやって私の心を読んだ?」と問いかけます。その姿を見た側室モクジュは、ジヨンへの激しい嫉妬を募らせていきます。
第4話 雨とテンジャンスープと揺れる王の心
雨の日、イ・ホンは「雨音を聞くとテンジャンスープが欲しくなる」と静かに口にします。ジヨンはイ・ホンの幼い頃の記憶に思いを巡らせながら、心に寄り添う特別な味噌スープを仕立てます。
湯気の向こうでイ・ホンの孤独や心の傷がほのかににじみ、暴君ではない一人の青年の素顔が垣間見えます。その裏で、モクジュの策略によりジヨンへの疑いが次第に深まっていきます。
第5話 スノーフレーク・シュニッツェルと信頼の一歩
宮廷の宴に向け、ジヨンは「雪のように軽いシュニッツェル」を掲げた創作料理に挑みます。濃厚な宮廷料理に慣れた重臣たちは、軽やかな口当たりに思わず目を見張ります。
イ・ホンはジヨンの挑戦を静かに支え、ジヨンもイ・ホンの鋭い味覚と王としての立場を強く意識します。やがて二人の間に、仕事を通じた確かな信頼が芽生え始めます。
第6話 黒ごまマカロンに込めた想い
ジヨンは黒ごまと米粉を合わせた朝鮮風マカロンを考案し、甘味を好まないイ・ホンへ甘さ以外の記憶を届けたいと願います。
愛らしい菓子の裏で、イ・ホンの母との思い出や大妃との確執が静かに浮かび上がります。ジヨンは気づかぬままイ・ホンの心の奥へ踏み込み、物語が大きく動き出す転機となります。
第7話 雨の日のパジョンと小さな旅路
宮廷を離れる機会を得たジヨンは、イ・ホンと共に「雨の日はパジョンとマッコリ」という庶民の楽しみを味わいます。
東莱パジョンを並んで焼く穏やかなひとときに、ジヨンとイ・ホンの距離はぐっと縮まります。しかし暗殺者コンギルの気配が次第に濃くなり、静かな時間の裏で宮廷の陰謀が動き始めます。
第8話 明国との料理対決:欠けた食材を埋めるもの
明国の御膳房との大規模な料理対決が始まり、ジヨンは米酒ビーフ・ブルギニヨンという韓仏折衷の肉料理で挑みます。
ところが決戦直前、要となるコチュ粉が盗まれてしまいます。追い込まれた状況でもジヨンは発想を切り替え、味の均衡を組み直します。
極限の中で即興の力が輝き、イ・ホンの政治的立場にも大きく影響する重要な勝負となります。
第9話 圧力鍋オギェタンと命を守るスープ
宮中で疫病や体調不良が広がる中、ジヨンは圧力調理の技を応用したオギェタンで人々の体力を支えようと奔走します。
王を狙う毒殺計画がささやかれ、味方と敵の境目も見えない緊迫した状況が続きます。
ジヨンの料理は命を救う力にも危うさにもなり得ると浮き彫りになり、コンギルやジェサン大君の思惑もさらに複雑に絡み合います。
第10話 王の真実と“暴君”の顔
イ・ホンの出生や先王の死にまつわる真実が明らかになり、イ・ホンが暴君と呼ばれるに至った背景が浮かび上がります。
怒りと絶望にのみ込まれ、イ・ホンは理性を失いかけます。
ジヨンは料理の力でイ・ホンを引き留めようと懸命に向き合いますが、激しい政争の渦が感情を容赦なく揺さぶり、ジヨンとイ・ホンの関係は大きく揺れ動きます。
第11話 奪われた平穏と選択のとき
ジヨンを利用しようとする勢力の動きが激しくなり、誘拐や犠牲を伴う事件まで起こります。守り続けてきた厨房の穏やかな日常は崩れ去ります。
イ・ホンは王として、そして愛する人を守りたい男として決断を迫られます。ジヨンもまた、自分はどの時代で誰のために料理を作るのかと真剣に向き合うことになります。
第12話(最終話) 還世飯とそれぞれの未来
王位を巡る最後の戦いが始まり、イ・ホンとジェサン大君の対立はついに決着へ向かいます。
激しい争いの中でジヨンは重傷を負いますが、運命を左右する一皿と古文書「望雲録」が大きな意味を持ちます。
還世飯やビビンバといった象徴的な料理を通して、ジヨンとイ・ホンの絆、そして未来への希望が丁寧に描かれます。
「暴君のシェフ」基本情報
「暴君のシェフ」は、NAVERウェブ小説『연산군의 셰프로 살아남기(燕山君のシェフとして生き残る)』を原作に誕生した作品です。
2022年から2023年に連載され、タイムスリップした料理人が暴君の宮廷で奮闘する物語が注目を集めました。
ドラマ版では料理描写をさらに強化し、史実とは距離を置いた架空の王を設定することで歴史論争を避けた点も評価されています。
監督:チャン・テユ(장태유)
『根の深い木-世宗大王の誓い-』『星から来たあなた』『夜に咲く花』で知られるチャン・テユが担当し、華やかな料理映像とテンポの良い展開が好評でした。
脚本:具体的な脚本家名は明記なし(監督主導のオリジナル脚本)
全12話のコンパクトな構成で、ラブコメと政治スリラーを巧みに融合させています。
平均視聴率は約11%、最終回は17.1%を記録し、tvN土日ドラマ歴代7位に入りました。口コミで人気が広がった点も話題になっています。
「暴君のシェフ」感想
物語は、感情をうまく表に出せない美食家のイ・ホンと、生き抜く力にあふれた現代シェフのジヨンが軸となるロマンスです。
現代フレンチと朝鮮宮廷料理を融合させた一皿が毎回登場し、多彩な創作料理が物語を動かします。
王の暗殺計画や明国との料理対決、コンギルやジェサン大君の思惑も絡み合い、恋心と宮廷サスペンスが同時に進みます。料理を通じてジヨンとイ・ホンが少しずつ信頼を築く過程が大きな見どころです。
料理の美しさやキャストの相性を称賛する声が多い一方、話数の少なさを惜しむ意見も見られましたが、お話はハッピーエンドで終わります。
ハッピーエンドが一番好きです。結末が気になる方は安心して、ゆっくり物語に浸って視聴して下さい。
「暴君のシェフ」キャスト
ユナ(少女時代)/ヨン・ジヨン役
・現代ソウル出身の天才フレンチシェフ。
・世界的な料理大会で優勝した直後、事故で約500年前の朝鮮時代にタイムスリップする。
・自分を捕らえた“暴君”イ・ホンに命を握られつつ、専属シェフとして宮廷厨房に立つことになる。
プロフィール
・本名:イム・ユナ。
・ガールズグループ「少女時代」のメンバー(アイドルと女優の両方で第一線で活躍)
・ドラマ代表作:「ビッグマウス」「キング・ザ・ランド」
・映画代表作:「コンフィデンシャル/共助」シリーズなど。
※本作の料理シーンでは、事前に料理学校でトレーニングを受け、多くのカットを自ら手で調理していると
インタビュー等で語られています。
イ・チェミン/イ・ホン(燕熙君)役
・朝鮮王朝の王。若くして即位し、絶対的な権力を振るう「暴君」として恐れられています。
・天候の変化による味の違いまで感じ取れるほど鋭い「絶対味覚」を持つ、類まれな美食家です。
・ジヨンの料理の腕を見抜き、“口に合わなければ「即処刑」という条件で専属料理人に任命します。
・冷酷さの裏に孤独とトラウマを抱えており、ジヨンの料理を通して少しずつ心の変化が描かれています。
プロフィール
・2000年生まれの若手俳優。ドラマ「ハイクラス~偽りの楽園~」でデビュー。
・「イルタ・スキャンダル」「ヒエラルキー」「今回もよろしく」などに出演し注目を集めました。
※本作では、パク・ソンフンさんがキャスティングされていましたがイ・チェンミンさんが『代役抜擢』となって話題になりました。
チャン・テユ監督は『代役抜擢』に120%満足しているとインタビューで答えています。
カン・ハンナ/カン・モクジュ役
・王の側室。高い家門に生まれ、絶対的な野心とプライドを持つ女性です。
・王の心と権力を自分のものにしようとし、ジヨンを「異物」として敵視します。
・宮廷内での派閥争い・策略の中心人物であり、「ヒール役」として強い存在感を放っています。
プロフィール
・ドラマ「麗〈レイ〉〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」「知ってるワイフ」などに出演しています。
・知的で気品ある役からクセの強い悪女まで幅広く演じています。
オ・ウィシク/イム・ソンジェ役
・ジヨンの現代での同僚・友人ポジションとして登場し、彼女のキャリアや性格を補足する役回りです。
・タイムスリップ前後のジヨンの人生の対比に関わる人物です。
プロフィール
・「サイコだけど大丈夫」「その年、私たちは」など、多くの人気作に出演するキャラクター俳優です。
・コミカルさと人間味のある演技で、物語の「緩衝材」になるような役を得意としています。
イ・ジュアン / コンギル役
・謎多き旅芸人のコンギル役を演じています。(王の隠密として活躍する大道芸人)
プロフィール
・「SKYキャッスル」「女神降臨」「幻想恋歌」などに出演し、着実にキャリアを積み重ねてきました。
・「暴君のシェフ」での演技が高く評価され、2025年9月からは日本の芸能事務所と業務提携を開始し、日本での活動も本格化しています。
・2025年12月には日本で初のファンミーティングが開催されました。
まとめ
「暴君のシェフ」は、単なる時代劇やロマンス作品の枠を超えた、多層的な魅力を持つドラマです。
料理の現代知識を朝鮮王朝時代に持ち込むという、設定から生まれるストーリー展開には、最後まで引き込まれてしまいました。
主人公ジヨンの成長の物語、暴君イ・ホンの隠された素顔の発見、そして二人の関係性の変化という、丁寧に紡がれた語り口が、物語に奥行きと説得力をもたらしています。
この記事では物語の魅力だけでなく、印象的だった料理のシーンも振り返りました。視聴前の予習にも、完走後の振り返りにも使っていただけたらうれしいです。
