春の伊勢志摩には、少し時期をずらして楽しめる魅力的な桜スポットがあります。
淡い黄緑色の花を咲かせる珍しい「御衣黄桜」と、やさしい色合いで人気の「横輪桜」を巡るお花見の旅は、春の後半にゆったりと桜を楽しみたい方にぴったりです。
さらに、八重桜が華やかに咲き誇る「花垣の八重桜」や、夜の幻想的な景色が広がる観桜会とライトアップも見逃せません。
桜並木が続く美しい場所も多く、「鍋田川堤の桜並木」では桜のトンネルの下を歩きながら、祭りや屋台のにぎわいを楽しめます。
また、「北神山花街道」では満開の桜が続く並木道が春のドライブや散策を彩ります。
春の終わりまで桜を満喫できるスポットをまとめて紹介します。桜の見頃を少し長く楽しめる、そんなお花見の旅の参考にして下さい。
「横輪桜」と「御衣黄桜」を巡るお花見の旅
伊勢周辺では、ソメイヨシノが葉桜になり始めるころに「御衣黄桜」が色づき始めます。
伊勢市内では「横輪桜」のエリアへ向かう途中や周辺にも植えられており、横輪桜と合わせて巡る散策コースも紹介されています。
お花見想定時期:4月中旬〜下旬(ソメイヨシノ終盤〜横輪桜・御衣黄桜が重なる頃)。伊勢道「玉城IC」から南伊勢町泉へ約19分(「サニーロード/県道169号」経由)。
横輪町から泉地区へは県道169号経由で約19分程度のドライブコースになります。
「横輪桜」桜祭り・屋台
三重県伊勢市横輪町で見ることができる「横輪桜」は、この地域にしか存在しない貴重な桜として知られています。
2018年に新しい園芸品種として登録された比較的新しい桜で、地区名にちなんで横輪桜という名前が付けられました。濃いピンク色の大きな花と、年齢とともに花びらが増えていく特徴を持つ桜です。
横輪桜の始まりは江戸時代後期と伝えられています。横輪町にある桂林寺の桜を村人が持ち帰り、挿し木などで増やしたことがきっかけでした。
その後、ひこばえから育てた苗木が町の各地に植えられ、現在の並木や群生の景観が形づくられていきました。
花の大きさも大きな魅力のひとつです。ソメイヨシノの2~3倍ほどといわれ、直径は約5~7センチほどの大輪になります。
色は濃いピンクで、花びらの縁が特に濃く見えるため華やかな印象を与えます。咲き方は一重と八重が混ざったような独特の姿で、雄しべが変化した花びらが含まれる花や、12枚以上の花びらを持つ花も見られます。
さらに樹齢を重ねるほど花びらの枚数や花数が増え、木全体が花で覆われるような見事な姿へと成長していきます。
開花とほぼ同時に新芽や若葉も伸び始めるため、濃いピンクの花とやわらかな緑が並ぶ春らしい景色も楽しめます。
開花はソメイヨシノより少し遅れる傾向があり、例年はその時期に合わせて横輪桜まつりも開催されています。横輪町でしか見られない桜として、訪れる人に特別な春の風景を届けてくれる存在です。
基本情報
・所在地域 : 伊勢市横輪町(〒516-1106 三重県伊勢市横輪町586番地付近)
・お問い合わせ : 0596-39-1741 (横輪町活性化委員会)
・桜祭り : 3月下旬~4月中旬 (桜の開花時期に合わせて桜まつり開催予定)
・会場 : 伊勢市横輪町 横輪公民館前及び「郷の恵・風輪」駐車場周辺
・駐車場 : 有 (交通対策協力金として1台600円要)
・アクセス
公共交通機関(バス)利用の場合
JR・近鉄伊勢市駅、近鉄宇治山田駅から「五ヶ所バスセンター」行きに乗車し約30分、「横輪口」バス停で下車後、徒歩約15分で横輪町エリアに到着します。
車利用の場合
伊勢自動車道「玉城IC」から南伊勢町方面へ約13km進み、「横輪口」交差点を左折して約1kmで横輪町に入ります。
※料金等については変更されている場合があので、問い合わせ先に確認ください。
「御衣黄桜」
伊勢志摩エリアで知られている「御衣黄桜(ぎょいこうざくら)」は、淡い黄緑色の花を咲かせる珍しい八重咲きの桜です。
一般的なソメイヨシノが散ったあと、4月中旬から下旬ごろに見頃を迎える遅咲きの品種として親しまれています。春の終わりにゆったりと花見を楽しめる桜として、多くの人に注目されています。
御衣黄という名前は、花びらが薄い黄緑色、いわゆる萌黄色を帯びていることに由来します。平安の貴人が身につけた衣の色「御衣」を思わせることから、優雅な響きを持つ名前が付けられました。
八重咲きの桜で、一輪あたりおよそ10〜15枚ほどの花びらが重なり合う姿も特徴です。歴史は古く、江戸時代に京都の仁和寺で育てられた園芸品種と伝えられています。
開花したばかりの花は、葉と見分けがつきにくいほど明るいライムグリーンから淡い緑色をしています。
花びらに含まれる葉緑体の働きによって光合成が進むと、色合いは次第に白っぽく変化し、やがて中心部分に赤みが差してきます。
花が散る頃には中心がピンク色になり、緑・黄・白・ピンクが重なった美しいグラデーションが楽しめます。
ソメイヨシノの見頃が終わったあと、4月中旬以降に訪れると、緑から淡いクリーム色、そして中心がピンクへと変わる花の移ろいをじっくり観察できます。春の後半に出会える、上品で趣のある桜です。
基本情報
・所在地域 : 三重県度会郡南伊勢町泉地区
・お問い合わせ : 0599-66-1717 (南伊勢町観光協会)
・駐車場 : 『泉地区農業研修施設』の駐車場をご利用下さい。(無料)(トイレ無)
・アクセス
車の利用 : 伊勢自動車道「玉城I.C.」より約30分
※料金等については変更されている場合があので、問い合わせ先に確認ください。
「花垣の八重桜」八重桜観桜会・ライトアップ
三重県伊賀市予野地区、花垣神社の周辺には「花垣の八重桜」と呼ばれる特別な桜があります。
地域では「予野の八重桜」という名前でも知られ、奈良時代から続く歴史を持つ貴重な在来の桜として大切に守られてきました。
現在見ることができる木は四代目とされ、花垣神社の東側およそ150メートルの場所に植えられています。
花の特徴としてよく知られているのは、一つの花に雌しべが二本あるという珍しい形です。花びらは約三十枚ほど重なる八重咲きで、やや淡い紅色からピンク色の中輪の花を咲かせます。
木の姿は広卵形の高木で、高さはおよそ八メートルから十メートルほどまで育つと紹介されています。
伝承によると、奈良時代の聖武天皇の頃、予野の地で雌しべが二本あり花びらが幾重にも重なる珍しい桜が見つかり、朝廷へ献上されたと伝えられています。
献上された桜は奈良の興福寺の境内に植えられ、大切に扱われました。平安時代には一条天皇の中宮である上東門院が京都へ移そうとしたものの、興福寺の反対によって伊賀国予野の庄へ移植されることになりました。
その際、桜の故郷として「花垣の庄」という名前が付けられ、花を守る役割の花守が置かれたという逸話も残されています。
現在は地元の人々や八重桜保存会によって土壌改良などの保護が続けられ、令和五年の時点で樹高は約八メートルまで成長しています。
見頃は四月下旬前後で、春の終わりにゆっくり桜を楽しみたい方にぴったりの季節です。
基本情報
・所在地 : 〒518-1152 三重県伊賀市予野 137(八重桜公園)
・お問い合わせ : 0595-39-0002(花垣地区市民センター)
・八重桜公園のライトアップ期間 : 2025年は3月30日~5月上旬(午後7時~午後9時)でした。
・八重桜観桜会 : 例年 4月中旬~4月下旬 頃
・駐車場 : 有
・アクセス
公共交通機関利用
伊賀鉄道 上野市駅、猪田道駅より三重交通バス予野線に乗り換え、「花垣神社」バス停下車、徒歩約2分。
車の利用
名阪国道「治田IC」から県道687号線を名張市方面へ約5分。
名阪国道「大内IC」から車で約8分。
「鍋田川堤桜並木」の 桜のトンネル 桜祭り・屋台・ライトアップ
三重県桑名郡木曽岬町には、鍋田川の堤防に沿って続く「鍋田川堤桜並木」があります。
愛知県との県境を流れる一級河川・鍋田川の周辺に広がる桜並木で、木曽岬町の観光を象徴する景色として知られています。
川沿い約4kmにわたり、およそ1000〜1500本の桜が植えられており、三重県内でも規模の大きなお花見スポットとして人気を集めています。
中心となる品種はソメイヨシノで、ベニシダレザクラやカンザクラ、オオカンザクラなども植えられ、春になるとさまざまな桜が堤防を彩ります。
見頃は例年3月下旬から4月上旬とされ、2026年は3月24日ごろ開花、3月31日ごろ満開、4月7日ごろ桜吹雪という予想が紹介されています。
堤防沿いには桜の枝が大きく広がり、空を覆うような桜のトンネルが続きます。
歩道を散策しながら満開の花を見上げる時間はもちろん、道路の上にも枝が伸びているため、車で通ると桜のトンネルの中を走るような感覚も楽しめます。
開花時期には「木曽岬町さくらまつり」が鍋田川いこいパークを会場に開催され、ステージイベントや出店でにぎわいます。
夜には18時から21時ごろまでライトアップも行われ、昼とは違った幻想的な夜桜も楽しめます。
桜のトンネルをドライブしながら春の景色を味わえる場所として、多くの人に親しまれています。
基本情報
・所在地 : 〒498-0823 三重県桑名郡木曽岬町和富
・お問い合わせ : 0567-68-6105 (木曽岬町役場 産業建設課)
・アクセス
公共交通機関利用
近鉄弥富駅から木曽岬町自主運行バス(中央線、源緑見入線)加路戸、見入辰高、見入和泉、和泉神社バス停で下車
車の利用
東名阪自動車道弥富ICより国道155号線、県道105号経由で木曽岬町方面へ15分
国道23号 富田子交差点から桜並木
国道1号 尾張大橋交差点から南へ500メートル
※駐車場は鍋田川いこいパーク内に8台分のみあります
木曽岬町案内マップはこちらから
「北神山花街道」の 桜のトンネル
三重県津市芸濃町北神山、安濃川沿いの道路には、美しい桜並木が続いています。観光情報では「北神山花街道」と呼ばれ、津市を代表する桜の名所の一つとして紹介されています。
川沿い約800メートルから1キロほどの区間に桜が連なり、枝が重なり合うことで桜のトンネルのような景観が広がります。
主に植えられている品種はソメイヨシノで、川沿いを歩いて進むと、頭上を覆うように桜が広がる風景を楽しめます。見頃は例年3月下旬から4月上旬で、2023年には3月30日に満開を迎えた記録もあります。
撮影スポットとして人気
・道路と桜の枝を低い位置から撮影すると、トンネルのような迫力ある景色が引き立ちます。
・土手の上から眺めると、芝生の緑と桜並木が一緒に写り、ポートレート撮影にも向いた構図になります。
・両側に桜が並ぶ区間では、真上を見上げるようにカメラを向けると、青空を囲むように広がる桜の景色も楽しめます。
近年はSNSやメディアで紹介される機会が増え、花見シーズンの日中は多くの人でにぎわう人気スポットになりました。
比較的落ち着いて散策しやすい時間帯として、夕方18時ごろが狙い目とされています。
(やわらかな夕方の光の中で桜のトンネルをゆっくり楽しめる時間です。)
通路は広く、犬と一緒に散歩を楽しむ人も見られます。リードの着用やフンの始末など、基本的なマナーを守りながら散策を楽しみたい場所です。
駐車場は案内されています。花見シーズンは混み合いますが、路上駐車は厳禁です。
基本情報
・住所 : 〒514-2213 三重県津市芸濃町北神山 480
・公共交通機関でのアクセス
JR・近鉄「津駅」から三重交通バス65系統(安濃線 / 市場行き)にて、三階橋停留所下車で徒歩約3分
・車でのアクセス:津市芸濃総合支所から約1.3km(徒歩約15~20分)
※駐車場はなく、津市 芸濃総合支所(津市芸濃町椋本6141−1)の駐車場を利用します。
芸濃町総合支所までのアクセス
・名阪国道「関IC」から約7km、車で10分
・伊勢道「芸濃IC」から約3km、車で約5分
まとめ
伊勢志摩から三重県北部にかけては、時期や品種の違いによって長く桜を楽しめる場所が点在しています。
「横輪桜」と「御衣黄桜」を巡る散策では、一般的な桜とはひと味違う色合いや風情を感じることができます。
さらに、花垣の八重桜では華やかな八重咲きの花が春の景色を彩り、観桜会やライトアップによって昼とは異なる幻想的な雰囲気も味わえます。
鍋田川堤の桜並木では、満開の桜がつくるトンネルの中を歩きながら祭りや屋台のにぎわいを楽しめるのも魅力です。北神山花街道では桜並木が続き、散策やドライブにもぴったりの春景色が広がります。
それぞれの場所には異なる魅力があり、訪れるタイミングによって多彩な桜の表情に出会えます。春の思い出づくりに、ゆっくりと桜を巡る旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
