甘じょっぱい魅力で日本中を虜にする「みたらし味」が、2025年食トレンドとして注目を集めています。
コンビニスイーツから有名ブランドまで、続々とみたらし味商品が発売されています。
しかし、なぜ今みたらし味がこれほどまでに愛されるのでしょうか?その秘密は、醤油の香ばしさと砂糖の甘さが織りなす絶妙なバランス、そして懐かしさと新しさが共存する独特の魅力にあります。
平安時代に京都・下鴨神社で生まれたとされるみたらし団子から始まった歴史ある味わいが、現代の食文化に新たな風を吹き込んでいるのです。
本記事では、みたらし味ブームの全貌と、家庭で楽しめる革新的なアレンジレシピまで、その魅力をお伝えしていきます。
みたらし味ブームの現状
今、みたらし味は確かに流行しています。2025年春から夏にかけて、みたらし団子の風味を取り入れた新商品が各社から続々と登場しており、トレンドとして注目されています。
無印良品では「不揃い みたらし団子風バウム」が2025年5月に発売され、SNSでも「もちもち食感とみたらしの甘じょっぱさが新感覚」と話題になっています。
丸亀製麺も「丸亀うどーなつ」シリーズにみたらし味を加え、全国展開しています。
ミスタードーナツの「もっちゅりん」みたらしは、みたらしフィリングをコーティングして甘じょっぱさが引き立つ味わいになっています。
アイスでもロッテの「雪見だいふくPREMIUM たっぷりタレのみたらし」が全国発売されるなど、ジャンルを問わずみたらし味が展開中です。
サーティワンでも「黒みつ入り 日本橋のみたらし」は、日本橋の老舗「榮太樓總本鋪」と「にんべん」による共同開発でほんのり甘じょっぱい「みたらし風味」のフレーバーは、黒みつの濃厚なリボン入りで、和の甘さをしっかりと引き立てています。
ポップコーンやグミ、ビスケットなど、みたらし味のお菓子も各メーカーから発売されており、関西限定 になりますが、「ミレービスケット みたらし団子味」などが新商品として登場しています。
2025年のトレンドグルメを紹介する記事でも「みたらし味」は押さえておきたい流行の味としてピックアップされており、若い世代を中心に人気が高まっていることがうかがえます。
このように、みたらし味は今まさに流行していると言えます。
和菓子屋さんのみたらし団子
「冷やしみたらし」は、伝統的なみたらし団子を「冷やして食べる」新しいスタイルで提供する和菓子です。
みたらし団子自体は京都・下鴨神社の御手洗池に由来し、厄除けや神前へのお供え物として平安時代から親しまれてきましたが、「冷やしみたらし」は現代のアレンジ商品です。
みたらし団子の基本
みたらし団子は、もちもちした団子に甘辛い醤油だれを絡めた和菓子です。発祥は京都・下鴨神社で、御手洗池の泡を模して作られたと伝えられています。
伝統的には温かい状態で食べるものですが、夏祭りや葵祭など、もともと夏の行事と関わりが深いお菓子でもあります。
冷やしみたらしの特徴
食感:冷やしても団子が硬くならず、もちもち・とろける食感が楽しめるよう工夫されています。例えば、タピオカ粉や独自のでんぷん配合など、各店で冷やしても美味しい生地作りの技術が使われています。
たれ:冷やしても味がぼやけないよう、後味の良い醤油だれを厳選し、とろみやコクを調整しています。
食べ方:串に刺さったものだけでなく、スプーンですくって食べるスタイルの商品も登場しています。
季節限定・数量限定:多くの冷やしみたらしは、夏季限定や数量限定で販売されることが多く、特別感があります。
和菓子屋さんの「冷やしみたらし」は、伝統的なみたらし団子を現代風にアレンジし、冷やしても美味しく食べられるよう工夫された和菓子です。
もちもち感やたれのコク、冷やしても変わらない食感が魅力です。
夏季限定や数量限定で販売されることが多く、特別な手土産や季節の楽しみとして人気です。
みたらし団子の歴史と発祥は?
下鴨神社の御手洗池とみたらし団子の関係は、みたらし団子の発祥に深く結びついています。
みたらし団子の発祥は、京都の下鴨神社(賀茂御祖神社)にあります。平安時代後期、後醍醐天皇が同神社の御手洗池で手を清めた際、池から5つの泡が立ち上がったという伝説が由来とされています。
伝承によれば、鎌倉時代後期、後醍醐天皇が下鴨神社の御手洗池で水をすくった際、最初に1つの泡が浮かび、続いて4つの泡が浮かび上がった様子を団子に見立てたことが、みたらし団子誕生のきっかけとされています。
この泡を模して、串に刺した5つの団子(1つ離して4つ並べる形)が作られました。この形は人間の頭と四肢を表し、厄除けやお祓いの意味も込められています。
みたらし団子は、下鴨神社の御手洗祭や葵祭などの神事で神前に供えられ、祈祷後に無病息災や厄除けを願って食べられてきました。
つまり、御手洗池の湧き水に浮かぶ泡がみたらし団子の形と名前の由来であり、この泡を模して作られたのが、最初のみたらし団子だったのです。
みたらし団子は、下鴨神社の神事や信仰と密接に結びついた伝統的な和菓子です。
神社の「御手洗池(みたらしいけ)」の名前が転じて「みたらし団子」と呼ばれるようになりました。当初は神事に使用される神聖な食べ物でしたが、江戸時代になると庶民の間にも広まっていきました。
元々のみたらしのタレは、醤油ベースのシンプルなものでした。現在のような甘辛い味付けになったのは明治時代以降で、砂糖の普及と共に現在の味に近づいていきました。
関西と関東での違い
興味深いことに、みたらし団子には地域差があります。
東京のみたらし団子は3つ玉でしょっぱめのタレがかかったもの。 大阪のみたらし団子も東京と同じく3つ玉。 甘めのタレがかかっているのが東京のものとの違いです。 一方愛知のみたらしは、小さめの団子が5つ串に刺さっていて甘くないそうです。
関東では「濃い口しょうゆ」、関西では「昆布だし仕立て」、九州では「特製和風だし」となっており、地域ごとの特色が出た味が楽しめるようです。
みたらし団子のアレンジレシピ
みたらし団子の味の大きな特徴は、やはり砂糖醤油のみたらし餡にあります。
元々、みたらし団子は生醤油を付け焼いたものでしたが、大正時代に大きな変化が起こります。
現在も下鴨神社の門前にある甘味処・加茂みたらし茶屋のご主人が、醤油に黒砂糖を入れ、葛でとろみをつけた餡を組み合わせることを考えたのです。
そうして砂糖醤油のみたらし餡を絡めたみたらしだんごは人気を博し、今日でも大勢の人に愛される和菓子となりました。
今では、みたらし団子と言えば、皆同じ味を思い浮かべるでしょう。
現代のみたらし団子は、伝統的な味わいを大切にしながらも、様々な創意工夫が加えられています。SNSの普及により、一般の方々が考案したアレンジレシピが瞬時に全国に広まり、新たなトレンドを生み出しています。
特に注目すべきは、和洋折衷のアプローチです。チーズケーキやラテなど、西洋の食文化とみたらし団子を融合させることで、これまでにない味わいが生まれています。
また、健康志向の高まりを受けて、豆腐を使ったヘルシーみたらし団子や、グルテンフリーの米粉団子なども登場していますが、なかにはカロリー爆上がりの「男子ごはん」とでも言うべきアレンジレシピ(豚バラ肉を巻いてフライパンで焼く)などもあるようです。
これらのアレンジレシピは、家庭でも簡単に楽しむことができ、家族や友人との楽しいひとときを演出してくれます。ぜひ様々なアレンジレシピを体験して楽しんでみてください。
まとめ
みたらし味の人気は、単なる一時的なブームを超えた文化現象となっています。
甘じょっぱさの絶妙なバランス、懐かしさと新しさの共存、そして日本人の味覚に深く根ざした魅力が、幅広い世代に愛される理由です。
コンビニスイーツから有名ブランドの商品まで、多様な形で展開されるみたらし味の商品は、今後も私たちの食生活を豊かに彩ってくれるでしょう。手作りでの楽しみ方も含め、みたらし味の可能性は広がりを見せています。
この味わい深いトレンドは、日本の食文化の素晴らしさを再認識させてくれる貴重な機会でもあります。ぜひ、あなたもみたらし味の魅力を存分に味わってみてください。